内外寄生虫の病気事典
日本紅斑熱
日本紅斑熱は、1984年に徳島県で初めて確認された疾患で、関東以西の地域、特に中国、四国地方に多く 見られます。リケッチア(動物や人の細胞内で増殖する細菌)の一種である日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica)によって引き起こされます。
病原体
Rickettsia japonica
病原体を媒介する動物

フタトゲチマダニ
キチマダニ(Haemaphysalis flava)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、ヤマアラシチマダニ(H.hystricis)などが媒介します。
犬へ感染する可能性
犬に感染して症状をあらわすか否か明らかではありません。
人へ感染した場合
症状
39~40度の高熱、頭痛、悪寒、倦怠感などの他、発疹(紅斑)が全身にあらわれます。また、刺し口が赤く腫れるなどの症状が見られます。
治療法
テトラサイクリン系抗生物質を投与します。
予防法
野山へ出かける場合は皮膚の露出を控え、マダニの咬着を防ぎます。また、野山へ飼い犬を連れて行く場合は、飼い犬に対して定期的なマダニ駆除薬を使用して寄生予防を図り、マダニを生活環境付近に持ち帰らないようにします。
(文責 獣医学博士 佐伯英治)