マダニを知ろう
画像・動画で見るマダニの種類、吸血方法
マダニは種類によって、体の大きさや体型、生息環境が異なり、その生態や媒介する病原体もさまざまです。各マダニの種類を画像や動画でご紹介します。
日本でのマダニ分布図
マダニは初夏から秋にかけて盛んに活動しますが、日本は地域によって温度差が大きいため、各地の環境条件に適応したマダニが日本全国に分布しています。

ヤマトマダニ
Ixodes ovatus
大きさ:オス3.2mm メス2.3mm
分布:屋久島以北の日本全土。特に東北、北海道の山岳地帯に多い。

クリイロコイタマダニ
Rhipicephalus sanguineus
大きさ:3~4mm
分布:主に沖縄(九州・本州からの報告もある)

フタトゲチマダニ
Haemaphysalis longicornis
大きさ:オス3mm メス2.5mm
分布:日本全土。平地に多く、都市部でも見られる。

ツリガネチマダニ
Haemaphysalis campanulata
大きさ:オス2.8mm メス2mm
分布:北海道、関東~九州、奄美大島

シュルツェマダニ
Ixodes persulcatus
大きさ:オス3.2mm メス2.5mm
分布:主に北海道~東北地方、中部山岳地帯に多い。

キチマダニ
Haemaphysalis flava
大きさ:オス3mm メス2.4mm
分布:北海道~九州、比較的高度の低い山頂部に生息。
※大きさは全て未吸血時のものです。
写真・動画でみるマダニの姿

「マダニってどんな虫?その生態、生涯について」ページでもご紹介したとおり、マダニは成長段階によって見た目やサイズが違います。また、吸血前・後でもサイズが異なり、吸血後は写真のように体が大きく膨張し、100倍以上の体重になります。

フタトゲチマダニの成長による姿・サイズの違い
マダニの吸血方法

写真(右下)提供/サエキベテリナリィ・サイエンス 佐伯英治 先生
マダニは、幼ダニ・若ダニは発育のため、成ダニは産卵のために吸血します。動物の血液はマダニにとって唯一の栄養源です。1匹のメスの成ダニが飽血状態(最大限に吸血した状態)になると、犬は最大5mlの血液を失うことになります。
マダニは、睡液に含まれる酵素で皮膚を溶かしながら、鋏角(きょうかく)と呼ばれる針状の構造物で皮膚を切開し、口下片(こうかへん)と呼ばれる突起物 (針状の歯を持つ)を差し込んで吸血します。口下片の鉤状の歯と鋏角により、マダニが皮膚状に固定され、吸血時に唾液とともに分泌されるセメント様物質 が、マダニを皮膚により強く固定します。
