マダニを知ろう
マダニが犬に引き起こす症状と病気
マダニが犬に寄生した際に引き起こす、主な症状と病気をご紹介します。
マダニに咬まれると、犬は皮膚炎や貧血、栄養障害などの病害を引き起こします。また、マダニが運ぶ病原体がさまざまな感染症の原因となり、場合によっては命に関わる危険性もあります。
直接的な寄生による病害
貧血

マダニから大量に寄生・吸血された際に貧血を引き起こします。
アレルギー性皮膚炎
マダニの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみなどを引き起こします。
ダニ麻痺症
マダニは種類によって唾液中に毒性物質を産生するものがいます。そうしたマダニに吸血され、毒性物質が体内に注入されると、神経障害(弛緩性麻痺)を引き起こします。
マダニ媒介性疾患
バベシア症<バベシア原虫>

破壊された赤血球
犬の症状
貧血、発熱、黄疸、元気消失など。症状が重い場合は急死することも
人の症状
発熱、貧血など
日本紅斑熱<リケッチア>
犬の症状
無症状
人の症状
頭痛、発熱、倦怠感など
ライム病<ボレリア菌>
犬の症状
発熱や食欲不振、全身性痙攣、関節炎など
人の症状
赤い丘疹(マダニに咬まれた部分を中心とする遊走性紅斑)や発熱、関節痛など。放置すると、心膜炎や顔面神経麻痺などが起こることも
Q熱<コクシエラ菌>

提供/北里研究所 生物製剤研究所 小宮智義先生
犬の症状
不顕性感染(軽い発熱や流産・不妊症などが見られる程度)
人の症状
インフルエンザに似た高熱や呼吸器症状、肺炎など。慢性の場合は疲労感、慢性肝炎、心筋炎など。うつ病などの精神的な疾患と間違われることも
エールリヒア症<リケッチア>
犬の症状
急性の場合は発熱、鼻汁、流涙、食欲不振、元気消失、貧血など
人の症状
発熱、頭痛、関節痛、倦怠感、呼吸困難など。放置すると、命に関わることも
