
寄生虫予防のための健康習慣「定期駆虫」とは?
大切な健康習慣。
ノミ・マダニ・フィラリア・おなかの虫といった、犬・猫に病害をもたらす寄生虫を定期的なお薬の投与で駆除することを、「定期駆虫」と言います。これらの寄生虫による病害は、ズーノーシス※のリスクもあることから、近年その必要性が広く啓発されています。
※ズーノーシス:人獣共通感染症ともいう。動物と人の間で共通して感染する病気のこと
なぜ寄生虫の駆除が必要なのでしょうか?
ノミ・マダニ・フィラリア・おなかの虫といった寄生虫は、ある程度増えてから、症状が出てからでないと、なかなか気づきません。しかし、それではすでに遅く、家のなかはノミだらけ、愛犬や愛猫のまぶたや頬・耳などにマダニを発見してびっくり、おなかの虫の卵が愛犬や愛猫の体に付着、そして飼い主さんにも感染・・・といった事態をまねきます。また、蚊が媒介して感染するフィラリアは、発見が遅れれば愛犬の命にも関わる恐い寄生虫です。

ノミ・マダニ・おなかの虫による病気は、愛犬や愛猫の飼育環境が一変したことで、犬・猫同士または犬・猫から人へ感染するリスクが高まっています。たとえば、室内飼いや多頭飼いの飼い主さんが増えたこと。さらにはドッグランや公園などの不特定多数の犬が集まり、交流できる場所が増えたこと。なにより飼い主さんと愛犬や愛猫との関係がより親密になり、一緒に過ごす時間が長くなったことでキケンが増えているのです。
こうした寄生虫による病気に愛犬や愛猫が苦しんだり、感染源となって飼い主さんやよその家の犬・猫にうつしたりしないための大切な健康習慣が、定期駆虫なのです。
定期駆虫の重要性は海外でも言われています
ペット先進国のアメリカでは、10年以上も前からCDC(疾病予防管理センター※)およびAAVP(寄生虫学協会)という公的機関が、犬・猫から人への内部寄生虫(おなかの虫)感染を防ぐために、ペットへの駆虫薬の投与(定期駆虫)を推奨しています。また、2006年にヨーロッパで組織されたエスカップ(ESCCAP)という団体でも、「飼い主が寄生虫についての知識を持ち、愛犬や愛猫の健康はもちろん、まわりのコミュニティの人々や動物への責任を持つべき」と提唱し、CDCと同じく定期駆虫を推奨しています。
※疾病予防管理センター(CDC):アメリカ合衆国の社会保険福祉省に所属する感染症対策の総合研究所。感染症予防および治療に関する情報を世界中に発信している。最近では、新型インフルエンザに対する予防対策を発表し、注目されている。
CDCが推奨する定期駆虫ガイドライン(おなかの虫を駆虫する場合)

動物病院で適切な定期駆虫を行いましょう
定期駆虫で使用するお薬の量やそれを与える間隔・期間は、駆除する寄生虫の種類、愛犬・愛猫の年齢などによって異なります。かかりつけの動物病院の指示のもと、動物病院で処方される「動物用医薬品」できちんと駆除しましょう。「動物用医薬品」とは、効果・効能や安全性が国から認められているお薬のこと。子犬・子猫のときから安心してご使用いただけます。くわしくは、かかりつけの動物病院にご相談ください。
「定期駆虫」実践のために知っておくこと
定期駆虫として、お薬を投与する期間やタイミングは、寄生虫の生態や活動期間によって異なります。各寄生虫の定期駆虫スケジュールは、こちらをご覧ください。